子どもの反応から学ぶ2008/04/16 20時24分03秒

紙吹雪の様子
 本業である学校の仕事に追われてしまい、しばらくブログの更新が遅れていました。少しずつ溜まった思いやネタを織り交ぜながら、ブログに載せていきたいと思います。

 さて、先日の3/30(日)に「NPO法人ぷちすてっぷ(発達障がい児の支援を考えていく親の会)」から依頼を受け、ぷちすてっぷでは約3ヶ月ぶりのムーブメントを行いました。この日は朝から雨が降っていたにもかかわらず、春休み中だったこともあり参加した子どもの数が20名近くと、これまでにない大人数でした。
 今回のプログラムは、
①絵本の読み聞かせ
②タオルムーブメント
③缶ポックリムーブメント
④スクータームーブメント
⑤うちわムーブメント
⑥パラシュートムーブメント
 というように、愛媛支部で行った活動を少し修正した内容で構成し、約1時間という少し長目のムーブメントを行いました。

 このぷちすてっぷのムーブメントに参加してくれる子どもは、多くが自閉症もしくは自閉傾向のある特性をもっております。最初のうちはムーブメント活動に対する興味関心があまりなかった子どもたちも、さすがに3回目の活動ということと、活動場所も3回とも同じ場所であるということもあって、場所の雰囲気やムーブメントの流れにも慣れてきて、積極的に参加してくれるようになりました。
 しかし、子どもたちは素直で正直なもので、順番を待たされるもの、最初面白そうだと思って取り組んでみたものの、やってみたら興味がもてなかったもの、始めから興味関心がないものなどにはその場を離れてしまい、遠巻きに活動を見ながら自分の好きな遊びに興じることがよくあります。場の設定や指示の出し方、教材や遊具の使い方はよかったのか?と、この時ほど我々の環境設定の仕方を痛切に反省させられることはありません。
 今回で言えば、缶ポックリとスクーターのムーブメントでした。最初の取り掛かりはよかったものの、時間が経つにつれて一人減り、二人減りと少しずつ減っていって、約半分の自閉症の子どもがその場を離れてしまいました。
 ところが、うちわを使ってたくさんの風船を打ち上げる「うちわムーブメント」になると、少しずつみんなの集団に戻ってくるようになり、両手でうちわを持ちカラフルな風船を体育館いっぱいに追いかけていました。そして、細かく小さく切った紙をうちわで扇いで紙吹雪を起こす活動では、扇げば扇ぐだけ様々な色の紙が空中を高く舞い上がり、目の前全体にひらひらとゆっくり紙が吹雪のように落ちてくる様子に子どもたちは大喜び。気が付くと、全ての子どもがうちわを持って紙吹雪の中ではしゃいでおり、その周りには一人遊びをしている子どもは誰もいませんでした。

 子どもたちが生き生きと意欲的に参加することを目指して、プログラムを計画していきます。しかし、実際に活動を行ってみると、思ったように子どもが参加してくれなかったり、あるいは逆に予想以上に子どもたちが楽しく取り組んだりすることがあります。そういう時にこそ、子どもの反応をよく見て環境設定を分析し、何が悪かったのか?何が良かったのか?を考え、次の活動に生かすということを今回のムーブメントで実感しました。少なくとも、ぷちすてっぷのムーブメントに参加した自閉症の子どもにとっては、「視覚的に変化の富んだ刺激のある教材や遊具を使用する」、「それと合わせて触感覚にも快の刺激が与えられるような動きや動作を取り入れる」ということが有効であるように思いました。

 また約3ヵ月後にもムーブメントを継続してして欲しいと、ぷちすてっぷの方から依頼がありました。この経験をぜひ次回のムーブメントに生かしたいと思います。
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