繰り返し取り組むことの成果2008/02/06 22時47分55秒

 スポーツや習い事から始まって、教育、保育、療育など様々な分野や領域においても、「繰り返し行うこと」の大切さが尊ばれています。特に、特別支援教育に携わっている者は、子どものアセスメントから長期目標、短期目標を決め、特性と実態に応じた支援を行いながら繰り返し取り組んでいきます。繰り返し行うことで、なかなか身に付かなかった(定着しなかった)スキルや行動が身に付いたり、そのことによって自信がついてさらに意欲的に活動したりすることがあります。

 以前のブログで紹介した「音楽の授業でムーブメント」の中に出てきた“タオル体操”の取組ですが、去年の9月からスタートして先月(2008年1月)の学習会で5回行ったことになります。最初の頃の子どもたちは、動きの速さについてこられなかったり、リーダーと同じ動きを模倣できなかったりで、全体的にきれいな体操になりませんでした。しかし、毎回必ずムーブメントの最初の活動に位置付けて取り組んだことにより、5回目となる先月のタオル体操では、遅れる子どもがいなくなり、全体的にまとまったきれいな体操になりました。
 タオル体操の中に、イラストのようにタオルの両端を持ち、手を離さないでまたいで、そのまま背中に回して手首をひねって頭の上まで回すという動きがあるのですが、これがなかなか難しいようで子どもたちはかなり苦戦しました。特に身体意識が育っていない子どもにとっては、タオルをどうやってまたいだらいいのか、手首をどうやって回したら頭上までタオルをもっていけるのかが分からず、タオルを離してしまったりやろうとしなかったりでした。
 ムーブメント教育には、一つのねらいを達成するために、活動にいろいろな変化をつけて、楽しみながら、時には別の角度からのアプローチを繰り返し行うというよさがあります。したがって、タオル体操だけをずっと行うのではなく、それが終わった後のプログラムの中で、楽しみながらタオル体操にもつながるような活動(動き)を設定します。それらの取組の繰り返しが、結果的にタオルをまたいで手を離さないで体を1周させる動きにつながったのだと思います。

 音楽の時間にタオル体操を行うようになって昨日で3回目(週1回の音楽の授業)ですが、生徒もほとんどがこの動きをできるようになりました。繰り返し取り組むことの成果は、子どもによって個人差はありますが、必ず何らかの形で子どもから現れてくるというのを実感しました。

イラスト by Kimura (ムーブメント教育愛媛支部スタッフ & ピアニスト)

音楽の授業でムーブメント2008/01/24 20時44分59秒

 ムーブメント愛媛支部の定例学習会では、去年の9月から必ず活動の始めに「タオル体操」を取り入れるようにしました。スタッフが考えたオリジナルの体操で、「世界中の子どもたちが」という曲に合わせて、タオルを使って2パターンの体操します。ストレッチがメインの「ダンスバージョン」と体を洗うような動きの「お風呂バージョン」です。ねらいは、
○身体意識の向上を図る。
○身近にある使い勝手のいいタオルで体を動かすことの楽しさを知る。
○風呂に入った時、自分でタオルを使って体が洗えるようになる。
です。
 毎月1回のムーブメント活動ですが、年間通してタオル体操を継続して取り組み、少しずつ経験を積み重ねていけば、できるようになると願っています。

 さて、そのタオル体操ですが、初めて学校の授業で実施しました。先日学校の音楽の時間に、「世界中の子どもたちが」の歌を歌う時間があり、ただじっと座って歌っていただけなので、『せっかくだから、タオル体操で体を動かしながら楽しく歌おう』と思い音楽チーフの先生に相談しました。音楽授業のチーフの先生は、去年のムーブメント教育夏期セミナー松山会場に参加された方なので、ムーブメント教育に大変理解があり、即OK!。早速教室にある折りたたみ練習用のタオルを音楽室に人数分持って行き、タオル体操を行いました。
 最初は、モデルとなる私の動きを見ながら何とかタオルを操作していましたが、2回目になると笑顔いっぱいで楽しそうにタオル体操をしていました。声が出ない、あるいは歌うのが難しい生徒にとって、みなと一緒に歌う時ただ立ってじっとしているというよりも、ムーブメントで遊具を操作しながら体を動かして歌う時の方が、とても生き生きとした表情でした。ここにムーブメント教育のよさがあるように思いました。
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